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第4回「5時間耐久ディプロマシー!」

 今回で四回目を数える、ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE(ジェリージェリーカフェ)」の渋谷店店長・和久卓磨さんによるMC企画「5時間耐久ディプロマシー!」に参加して来ました。会場は、高円寺にあるアナログゲーム専門店「すごろくや」さんが運営するボードゲームスペース「す箱」


  面白い!名作!との誉れ高く、いつかはプレイしてみたいと思ってはいたものの、人数と時間が必要で、気軽には遊ぶことが難しいのがボードゲーム『ディプロマシー』。
 そんな『ディプロマシー』を、ゲームの用意からルール説明、進行まで全てやって頂けると言うのですから、自分で出来ない事は金で解決だ!・・・とチケット(前売:2500円/当日:3000円)を買って参加しました。

 会場の「す箱」は、以前は「すごろくや」さんの旧店舗(高円寺駅南口側)を利用していましたが、何時の間にか現店舗(北口側)から北に少し歩いた場所にあるビルの4Fに移動していました。

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 13時スタートで、初めの1時間はスクリーンを利用しながらのルール説明。それから17時までの5時間がプレイ時間。時間が切れた段階で結果を判定し、順位を確定させる・・・という流れでした。
 外交交渉は15分、命令書記入は5分・・・という様にタイマーを使ってテンポ良くゲームを進めて行くシステムでしたが、それでも終わらない!・・・時間が来たら強制終了としなかったら、それこそ数日かかるんじゃ無いか!?恐るべし『ディプロマシー』!(実際に1ターンに一週間掛けたりするクラブもあるとか)


 『ディプロマシー』を簡単に説明すると、1900年から始まる欧州の覇権争いをテーマとした列強(イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・オーストリア=ハンガリー・ロシア・トルコ)による交渉&陣取ゲームです。

 地図上には内陸・沿岸・海域の三種類の地域が区分けされて描かれています。内陸・沿岸には補給地とそうでない二種類が在り、ゲーム終了時に一番多くの補給地を占領している国が勝者です。また、占領に用いる部隊ユニットは、占領している補給地の数だけ部隊を保有出来る為、尚のこと、補給地を押さえる事が重要になります。ここが陣取合戦の要素です。
 部隊ユニットは陸軍と海軍の二種類があり、陸軍は内陸・沿岸に、海軍は沿岸・海域に配置・攻撃出来ます。ユニットは隣接する地域に基本一つ移動出来(注)、戦力は共通して1ポイント、そして1つの地域に存在出来るユニットは1つだけです。つまり空白地帯には軍隊を進ませる事が出来ますが、既に部隊が駐屯していたり、進入を試みている地域には入っていけません。そこで隣接する自分の部隊、或いは外国の部隊の支援が必要になってきます。ここが交渉ゲームの要素です。

注:
 移動の例外は輸送で、海軍は陸軍を自身を飛び石にして海域をまたいだ隣の地域に移動させる事が出来ます。(自国或いは同盟国の)海軍を連結させると、フィンランドからコンスタンティノープルまで一足で部隊を進軍させる事も理論上出来ます。ロマンですね。


 1900年春。
 各国、本国に補給地と部隊を3つづつ保有。ロシアだけは4つ。
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 未経験者は優先的に国を選ばせてもらえたので(経験者はランダムで担当国を決定)、私はオスマン帝国をチョイス。燃えるぜ!
 因みに、前回は参加者がイベント上限の21名だった事もあり各国プレイヤーが3名だったそうですが、今回は8名と参加者が少なかったのでイギリスのみ2名で、他は1ヶ国1名でプレイされました。複数だと国内でもめる事や、声の大きい人だけが活躍してしまうリスクもありますが、多角的に検証する事が出来るのは大きい気がします。独裁主義は危険だなぁ・・・とプレイしてみて実感。
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 寝不足・・・というのもありましたが(苦笑)、シンプルなゲームなのですが、やっぱりルールを把握するのに時間がかかったり、交渉の雰囲気を理解するのが難しかったですね。外交は経験だなぁ。
 それと地図上の地域の形や位置といった地理を理解するのも一苦労。バルカン半島や地中海は入り組んでいて、そこばっかり注視して北欧や大西洋は全然把握できず、近視眼的な戦略に終始してしまった・・・と、凄くリアルかも(涙)。

 前半戦の段階で、オーストリア=ハンガリー帝国が滅亡・・・。
 ウィーン周辺の会戦で、まさかの陸軍壊滅。補給地のウィーンとトリエステを侵略される。アドリア海の艦隊(部隊ユニット:海軍)と内陸地のブダペスト(補給地:内陸)が残されたものの、うっかり何も出来ない海軍がいるせいで「持てる部隊ユニット数=補給地数」というルールが邪魔してブダペストで陸軍を編成できず。そのままドイツ軍に進駐され、全ての補給地を喪失し、栄光ある帝国が一つ地図から消える。
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 西半分では着実にフランスがイベリア半島を抑え、イギリスはドイツの裏切りで打撃を被ったらしく(遠くて見えなかったよ!)、あまつさえ北欧の覇権を競ってロシアと組んずほぐれずしていた隙に、本国ブリテン島にフランスの三色旗が!
 たった一つ残された大英帝国の陸軍部隊と占領補給地が、何故かロシア領内に一つ。この部隊が補給地を転々と占領しながら命脈を保ち、チェコ軍団の様に暴れ廻るのだった!(しかも最後はベルリンを狙っていた・・・)

 イギリス軍団にかき回されたロシアの間隙を突いてドイツが中欧を占拠。フランスは着実に西欧域を押さえ、いよいよ覇権行方は両国の結果次第に。
 そして5時間経過時の段階で、わずかにドイツ帝国(10補給地)がフランス(8補給地)を押さえて、優勝。
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 オスマントルコは、ロシアと平和協定を結んでルーマニアを譲り、ブルガリアとギリシャを占領。そしてイタリアとイオニア海で微妙な緊張状態を保ちながらセルビアを占領・・・ふふふ。バルカンの失地を回復せねば!・・・とか言っていたのが頂点で、雪崩込んでくるドイツと、横からつつくイタリアにやられてセルビアを失う(涙)。更には一時、ロシアが撤退して真空地帯になったルーマニアを押さえたものの、防衛戦を維持できずに撤退。しかもゲーム終了直前の狂乱状態に、カフカスから雪崩込んできたロシアにアンカラを占領されるのでした。
 くっそぉ・・・オーストリア=ハンガリー帝国に次ぐブービーか・・・でも、オスマン帝国が滅亡しなかったし、ギリシャとブルガリアを占領できたからイイや。
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 一回ゲームをしてみて、ようやく流れや雰囲気をつかめた気がします。
 単純なルールながら名作の誉れ高いゲームだけあり、進軍の傾向や紛争多発地帯を歴史地理に則して誘導する様に、地図のデザインもよく考えられていて、地域の位置や相関関係を把握していないと戦略も立てられないので、大変でした。
 あと、初対面の人ばかりなので、名札を首から提げているのに「誰がイタリアさん?あれ、今話していたのはドイツさん?」なんて事も。
 それとイギリスの活躍(?)を見ていると、チームって強いな・・・というのも分かりました。あれだけ追い詰められても、しぶとく生き残って暴れ廻るのは、独りじゃ無理だっただろうな・・・と。

 いや、これは楽しい!
 是非、次回もスケジュールが合えば参加して、反省を生かしたいです!
 
 

by redsoldiers | 2017-11-28 12:19 | アナログゲーム | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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