『イット・フォローズ』
2016年 06月 29日
先日、早稲田松竹で『クリムゾン・ピーク(Crimson Peak 2015年 アメリカ)』との二本立てで観て参りました。
丁度見逃して気になっていた作品が一度に観られると言う事で、美味しかったです。善哉善哉。
『イット・フォローズ』
(原題:It Follows 2014年 アメリカ)
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル(David Robert Mitchell)
セックスしたら、それ(It)が追いかけてくる(follows)様になった・・・という話です。
デトロイトに暮らすヒロインの大学生ジェイは、自他共に認める一寸イケてる女の子。
その夜も、付き合い始めた彼氏と念願の初H。事が終わってロマンチックな気分に浸っていると、いきなり薬品で眠らされ、目が覚めると車いすに縛られて廃墟の中!何コレ!?
「ごめん。君にそれをうつした。これから在るモノが追いかけてくる。そいつはゆっくりとだが確実に追いかけてくる。そいつは動きは遅いがバカじゃ無い。姿を変えて来るが実態は一つだ。生き延びたかったら誰かに、うつすんだ。」
その夜以来、感染した者しか見えない何か(It)が、姿を変えて、時と場所を選ばずジェイを追いかけ来る事になる・・・。
いやぁ、非常に面白かったですよ。そして非常に怖い!
(日本版の予告編はダサダサですけど)
特に、感染してしまった人間は、他人に感染させたらそこで終わり・・・という事は無く、感染させた人間がソレ(It)に殺されたら、自分の所に帰ってきてしまい死ぬまで抜けられない!という所が、むちゃくちゃ恐ろしい・・・。
(劇中でも表現されていましたが、"鬼ごっこ"じゃなくて、"ババ抜き"なんですね)
シンセサイザーを使った音楽が1980年代っぽく、シットリと美しい映像と相まって、ジャッロ映画といったイタリアンホラー映画を観ている様でした。
脅かし方も上手く、いきなりボン!と来る時もあれば、来るぞ来るぞぁ・・・と思わせて来ない・・・と思ったら来たぁ!とか、古典的な手法なのですが、それが非常に効果的です。
普通、白塗りで全裸のオッサンが屋根の上に立っていたら爆笑モノですが、観るとゾワゾワ~っと来る所からして、良く出来ている映画なんだなぁ・・・と感じさせます。
キチンとした映画だからこそ、気になってしまうのは「Itって何?」という疑問。
映画では多くが語られず(だからこそ得体が知れない怖さがあるのですが)、何かの比喩的表現なんだろうな・・・とは感じさせます。
そもそも映画に、聞けばスッキリ明瞭回答!があるとは限らず、不明瞭だからこそ観た人なりに感じる作品の深みが生じるわけですし、制作者側だって、そんなに単純なアイディアだけで作っている訳じゃ無いでしょうけど。
アメリカでは、性感染症の比喩なんじゃないのか?若者の奔放な性交渉に警鐘を鳴らしているのでは?という意見が巻き起こり、沈黙を守っていた監督が「それは違います。」と反論せざるを得なくなったそうで、若者がある時期抱く性への恐怖や不安を表現しており、これは生と死、愛についての映画なんだとインタビューで答えています。
そういった前情報を得ていたとはいえ、若者の性や死への恐怖を題材に、愛について描いた物語りなんだろうな・・・という事は鑑賞して感じました。
ネタバレになるので多くは語りませんが、なるほど・・・愛とは、愛する人と生きると言う事は、そういう事だよな・・・と思う訳です。
つまり、相手の見たり感じている事を信じて、分かち合って、支え合って乗り越えていこうとする事。・・・たとえ、同じモノを見ていても分かち合わなければ意味が無いし、分かち合い支えようにも相手の見えているモノを信じなければダメだ・・・という事です。
そう思うと、なんだか観終わって勇気が湧いてきました。
お薦めです。
日本版公式サイト
http://it-follows.jp/
丁度見逃して気になっていた作品が一度に観られると言う事で、美味しかったです。善哉善哉。
『イット・フォローズ』
(原題:It Follows 2014年 アメリカ)
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル(David Robert Mitchell)
セックスしたら、それ(It)が追いかけてくる(follows)様になった・・・という話です。
デトロイトに暮らすヒロインの大学生ジェイは、自他共に認める一寸イケてる女の子。
その夜も、付き合い始めた彼氏と念願の初H。事が終わってロマンチックな気分に浸っていると、いきなり薬品で眠らされ、目が覚めると車いすに縛られて廃墟の中!何コレ!?
「ごめん。君にそれをうつした。これから在るモノが追いかけてくる。そいつはゆっくりとだが確実に追いかけてくる。そいつは動きは遅いがバカじゃ無い。姿を変えて来るが実態は一つだ。生き延びたかったら誰かに、うつすんだ。」
その夜以来、感染した者しか見えない何か(It)が、姿を変えて、時と場所を選ばずジェイを追いかけ来る事になる・・・。
いやぁ、非常に面白かったですよ。そして非常に怖い!
(日本版の予告編はダサダサですけど)
特に、感染してしまった人間は、他人に感染させたらそこで終わり・・・という事は無く、感染させた人間がソレ(It)に殺されたら、自分の所に帰ってきてしまい死ぬまで抜けられない!という所が、むちゃくちゃ恐ろしい・・・。
(劇中でも表現されていましたが、"鬼ごっこ"じゃなくて、"ババ抜き"なんですね)
シンセサイザーを使った音楽が1980年代っぽく、シットリと美しい映像と相まって、ジャッロ映画といったイタリアンホラー映画を観ている様でした。
脅かし方も上手く、いきなりボン!と来る時もあれば、来るぞ来るぞぁ・・・と思わせて来ない・・・と思ったら来たぁ!とか、古典的な手法なのですが、それが非常に効果的です。
普通、白塗りで全裸のオッサンが屋根の上に立っていたら爆笑モノですが、観るとゾワゾワ~っと来る所からして、良く出来ている映画なんだなぁ・・・と感じさせます。
キチンとした映画だからこそ、気になってしまうのは「Itって何?」という疑問。
映画では多くが語られず(だからこそ得体が知れない怖さがあるのですが)、何かの比喩的表現なんだろうな・・・とは感じさせます。
そもそも映画に、聞けばスッキリ明瞭回答!があるとは限らず、不明瞭だからこそ観た人なりに感じる作品の深みが生じるわけですし、制作者側だって、そんなに単純なアイディアだけで作っている訳じゃ無いでしょうけど。
アメリカでは、性感染症の比喩なんじゃないのか?若者の奔放な性交渉に警鐘を鳴らしているのでは?という意見が巻き起こり、沈黙を守っていた監督が「それは違います。」と反論せざるを得なくなったそうで、若者がある時期抱く性への恐怖や不安を表現しており、これは生と死、愛についての映画なんだとインタビューで答えています。
そういった前情報を得ていたとはいえ、若者の性や死への恐怖を題材に、愛について描いた物語りなんだろうな・・・という事は鑑賞して感じました。
ネタバレになるので多くは語りませんが、なるほど・・・愛とは、愛する人と生きると言う事は、そういう事だよな・・・と思う訳です。
つまり、相手の見たり感じている事を信じて、分かち合って、支え合って乗り越えていこうとする事。・・・たとえ、同じモノを見ていても分かち合わなければ意味が無いし、分かち合い支えようにも相手の見えているモノを信じなければダメだ・・・という事です。
そう思うと、なんだか観終わって勇気が湧いてきました。
お薦めです。
日本版公式サイト
http://it-follows.jp/
by redsoldiers
| 2016-06-29 14:49
| 映画
|
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