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ソ連軍の襟布

 フィギュアを作っていて、ヘッドが別パーツに成っていないのはキツイなぁ・・・と感じるのは、襟布の塗装をする時だ。

 
 昨今では見かける事も少なくなったが、首が直接触れる襟裏を汚染から守る為に、様々な材質・形状・色の襟布(えりふ。英語では"undercollar"、ロシア語で"подворотничок")と呼ばれる物を、洋服の襟に取り付けていた。古い服は生地や縫製上の問題から洗濯が困難な為、汚れ易く目立ち易い襟裏に、取り外しの出来る布を付けて、これを交換・洗濯した。和服で言えば、襟の上に取り付ける掛衿/共衿である。
 昨今では襟布を用いる服は少なくなったが、昔は一般的であった。これは軍服においても同様であるが、この廃れ行く襟布を、ソ連軍は戦後長く使い続け、ロシア軍を初め、未だにその伝統は継承されている。

 ソ連軍(国境警備隊や内務省軍など、国防省隷下の部隊以外も含めて)の軍服では、ワイシャツを初めとする下着(的な服)や水兵のセーラー服などを除いて、その襟の形状が詰め襟/折り襟であろうと、開襟/閉襟であろうと、迷彩服であろうと、基本的に、直接首が触れる服には襟布を縫い付けた。
 例えば、背広型のパレード・外出服を用いる際には、通常の兵科であれば、下にワイシャツを着用する。ところが、空挺兵はワイシャツの代わりにテェリニャーシュカ(тельняшка)と呼ばれるメリヤス製ボーダーシャツを着用する。このシャツは丸首で襟が無い為、ジャケットに直接に首が触れてしまう。そこで、空挺兵はジャケットの襟裏に、襟布を縫い付ける事となる。(下図参照)
ソ連軍の襟布_a0193363_17381646.jpg

 前述した事から分かるように、当然、首が直接触れない服には、襟布は縫い付けない。
 例えば、ワイシャツなどの上から着用する服、通常の服の上に着る防寒服や戦車兵用の特殊被服などが、これにあたる。
 とはいえ実際の運用では、作戦中や、訓練・作業で着用する際、またスペッツナズ服・空挺つなぎ服といった特殊被服などには、襟布を取り付けずに着用している様だ。

 下の写真は1980年代の襟布である。
 白い木綿生地を折り畳み、左右の端と下の三辺を縫い綴じている。幅は約4cm。サイズと良く分からないナンバーがプリントされている。
 規定では一年に、12枚が支給された。
ソ連軍の襟布_a0193363_1747728.jpg

 古い襟布の仕様書や現物を目にした事は無いが、これと大して変わる物では無いだろう。十年ほど前にモスクワに行った時も、これと同じ物が売られていた。この襟布は昔、BIMOクラブで購入した物で、ソ連時代の製品だ・・・と言われたが、何の確証も無いし、ロシア時代に買った物と引き出しの中で混ざったら、もう分からない・・・そんな代物だ。

 この襟布を、襟の上から1-2mm出るようにして縫い付ける事が、定められていた。
 縫い付け方は、下の動画を参照のこと。


by redsoldiers | 2014-02-21 19:36 | 軍装 | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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