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ソ連陸軍の将校・兵下士官用長靴

 冷戦時代、多くの国々が野外で用いる軍靴を、短靴・編上靴に変えていく中、長靴を用い続けたのがソ連軍。ロシア軍に至っては、未だに用いています。
 無論、ソ連軍の装備の中に短靴や編上靴が無かった訳ではないのですが、野外装備としては、特殊部隊や空挺軍、暑い地域の部隊などに一部支給された程度でした。しかも新型の編上靴に至っては絶対数が足りなかった様です。

 長靴の素材や形状も、フェルトの防寒ブーツから防水のゴム長等々、多岐に渡っており、その全体を把握する事も困難な程です。
 よって、今回は、ソ連陸軍(戦後)の一般的な将校・兵下士官用の長靴に限って記します。
 つまり、防寒ブーツ、空挺兵用長靴などの特殊被服や、将官や女性軍人用の長靴、更には海軍用の長靴も、今回は触れません。

 省かれた長靴で話題に挙げる物は三種類。

 ・兵下士官用
   キルザ(кирза)製長靴
 ・将校・準士官・長期勤務兵用
   ロシア革(Юфть)製長靴
   クローム革製長靴


 下の画像は、左がキルザ製長靴、右がロシア革製長靴。
ソ連陸軍の将校・兵下士官用長靴_a0193363_1659329.jpg
ソ連陸軍の将校・兵下士官用長靴_a0193363_1704411.jpg

 これらの製品は、キルザ製長靴は1991年製、ロシア革製長靴は1980年代の製品ではないかと思います。共に、以前BIMOクラブで購入した物なので、東ドイツ駐留軍が出所だと思います。

 残念ながらクローム革製長靴は持ち合わせがありませんが、こちらのサイトには、死ぬ程長靴が好きな方のコレクションが観られます。
 →こちら

 これらを観ると、それぞれが素材だけではなく、全く違った形状をしている事が分かります。一見、似ているロシア革製とクローム革製であっても、靴底の形状は無論、縫い閉じ方や革のカッティングが微妙に違うのが分かるでしょうか?
 勿論、キルザ製は他の2つとは全く違い、爪先と甲の前部、踵、背面のバイアステープはロシア革ですが、胴体部分はキルザという人工皮革に成っています。
 長靴の内側や、靴底には、製造時期などで様々な仕様が在るようですが、これまた深遠なる世界で、私には良く分かりません。


 これら三種類の長靴を、

 キルザ製長靴 → 兵下士官用ブーツ
 ロシア革製長靴 → 将校・準士官・長期勤務兵用常勤・野外ブーツ
 クローム革製長靴 → 将校・準士官・長期勤務兵用パレードブーツ

・・・と理解していました。
 というのも、1990年前後に、これらのブーツを購入したBIMOクラブのカタログが、その様なカテゴライズをしていたからです。
 しかしながら、服装規定書を読んでも、ブーツの仕様書を観ても、これらの使い分けについて記載は見つけられませんでした。

 写真資料を眺めれば、通常、兵下士官がキルザ製長靴を着用している事は明らかです。儀仗兵やパレード参加の兵士がクローム革製長靴を履いている様ですが、コレが将校と同じ物なのかは、判別出来ません。
 また、勤務中の将校の足元を見ると、(なかなか判別し難いのですが)クローム革製長靴を履いている事が多い様です。通常の勤務時や、時には野外装備をしてるのに!逆に、ハッキリとロシア革製長靴と分かる姿がほとんどありません。

 そもそも、このロシア革製長靴は、いつ頃導入されたのでしょうか?
 キルザ製も、クローム革製も、少しずつ仕様は変化しながらも、戦前から存在しているのは分かるのですが、ロシア革製に関しては、1989年の仕様書以外、全く資料が見つかりません。
 これは1974年の写真ですが、ロシア革製長靴の縫い合わせ方に見えるのですが、どうでしょうか・・・違うかなぁ・・・。
  もしかしたら、とても新型のブーツなのかも知れません。


 謎が深まってしまいました・・・。
 (T_T)
 
 
by redsoldiers | 2011-12-12 17:47 | 軍装 | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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