『アフガン』・・・実は『第九中隊』
2011年 04月 15日
今月の「アーマーモデリング」誌をチェックすると、何故かロシア映画が2本紹介されていた。
一本目はロシア映画界の熊・・・じゃなくて巨匠ニキータ・ミハルコフの新作『戦火のナージャ』(日本公式サイト)。
センスのない邦題に惑わされるが、これは名作『太陽に灼かれて(Утомлённые солнцем)』の続編で、原題は『Утомленные солнцем-2. Предстояние(太陽に灼かれて2 切迫)』。
・・・まぁ、個人的に『太陽に灼かれて』を名作だとは思わないんだけど。
今回は熊の鼻息も荒そうで、単純に楽しめそうな気がして、心待ちにしていたりする。
で、2本目がフョードル・ボンダルチュク監督の『アフガン』。
これまた邦題に惑わされるが、『第九中隊(9 рота)』の事だ。
徴兵され、アフガニスタンに駐屯する第九中隊に配属されたソ連空挺部隊員達の話なのだが、ロシアでは興行記録を塗り替える様な大ヒットだったらしい。
いわばソ連におけるベトナム戦争であるアフガニスタン紛争。映画作品として触れる事がためらわれるテーマではあり、そこに切れ込んだ事から、多くの反響が在ったらしい。
ちょうど『大統領のカウントダウン』だの、『ナイト・ウォッチ』だの、ロシアの新しい娯楽作品が日本でも劇場公開されている時期で、朝日新聞に取り上げられた事もあり、これは劇場公開か!?とマニアは色めき立ったが、劇場公開どころかDVDスルーすらされなかった。
予想外の大ヒットに気が大きくなったロシアの製作会社が、配給権料をつり上げてしまい、日本の配給会社からそっぽを向かれてしまったのが真相らしい。
あ~あ。
作品としては
徴兵→訓練→アフガン派遣→第九中隊配属→最後の決戦
と大変に分かり易い。
作品の中で描かれる出来事やシーンも、アフガン紛争で連想するステレオタイプな事柄ばかりで分かり易い。何かアフガン紛争の本や記録写真を見て、それをそのまま映像化したという感じ(その通りなんだろうけど)。
ところが・・・こんなに分かり易く、アフガン紛争を連想させる要素をてんこ盛りにして作ってあるのに!基地にはソ連国旗が翻っているのに!出てくる連中が、ロシア連邦軍にしか見えない・・・。
他にも、そんな撃ち合いをしたら同士討ちになるぞ?という様なシーンとかあったりして、何かリアリティというか、現実感が乏しい。
・・・アフガニスタン紛争は遠くなりにけり・・・ってヤツなのかなぁ・・・。
しかしまぁ・・・ともかくとして、こうして6年の年月を経て、日本版のDVDが発売される事は喜ばしい。流石はアルバトロス・フィルム!
(実はロシア版のDVDを持っているんだが、かじった程度のロシア語じゃ厳しいんだよね・・・)
ちなみに下記は、2005年(平成17年)12月21日付の「朝日新聞」からの切り抜き。
切り抜きは、しておく物だね。
※インタビューの中で監督が「このテーマの映画は過去10年で2本しか撮られていなかった。」と述べているが、それはソ連・イタリア合作の傑作『レッドストーム~アフガン侵攻~(原題:Afghan Breakdown)』と、ティムール・ベクマンベトフ監督の『エスケープ・フロム・アフガン』の事だろうか?
『レッドストーム~アフガン侵攻~』については、サイトの記事も参照の事。
http://members3.jcom.home.ne.jp/redsoldiers/exhibition/soviet/rozenbaum/rozenbaum.htm
一本目はロシア映画界の熊・・・じゃなくて巨匠ニキータ・ミハルコフの新作『戦火のナージャ』(日本公式サイト)。
センスのない邦題に惑わされるが、これは名作『太陽に灼かれて(Утомлённые солнцем)』の続編で、原題は『Утомленные солнцем-2. Предстояние(太陽に灼かれて2 切迫)』。
・・・まぁ、個人的に『太陽に灼かれて』を名作だとは思わないんだけど。
今回は熊の鼻息も荒そうで、単純に楽しめそうな気がして、心待ちにしていたりする。
で、2本目がフョードル・ボンダルチュク監督の『アフガン』。
これまた邦題に惑わされるが、『第九中隊(9 рота)』の事だ。
徴兵され、アフガニスタンに駐屯する第九中隊に配属されたソ連空挺部隊員達の話なのだが、ロシアでは興行記録を塗り替える様な大ヒットだったらしい。
いわばソ連におけるベトナム戦争であるアフガニスタン紛争。映画作品として触れる事がためらわれるテーマではあり、そこに切れ込んだ事から、多くの反響が在ったらしい。
ちょうど『大統領のカウントダウン』だの、『ナイト・ウォッチ』だの、ロシアの新しい娯楽作品が日本でも劇場公開されている時期で、朝日新聞に取り上げられた事もあり、これは劇場公開か!?とマニアは色めき立ったが、劇場公開どころかDVDスルーすらされなかった。
予想外の大ヒットに気が大きくなったロシアの製作会社が、配給権料をつり上げてしまい、日本の配給会社からそっぽを向かれてしまったのが真相らしい。
あ~あ。
作品としては
徴兵→訓練→アフガン派遣→第九中隊配属→最後の決戦
と大変に分かり易い。
作品の中で描かれる出来事やシーンも、アフガン紛争で連想するステレオタイプな事柄ばかりで分かり易い。何かアフガン紛争の本や記録写真を見て、それをそのまま映像化したという感じ(その通りなんだろうけど)。
ところが・・・こんなに分かり易く、アフガン紛争を連想させる要素をてんこ盛りにして作ってあるのに!基地にはソ連国旗が翻っているのに!出てくる連中が、ロシア連邦軍にしか見えない・・・。
他にも、そんな撃ち合いをしたら同士討ちになるぞ?という様なシーンとかあったりして、何かリアリティというか、現実感が乏しい。
・・・アフガニスタン紛争は遠くなりにけり・・・ってヤツなのかなぁ・・・。
しかしまぁ・・・ともかくとして、こうして6年の年月を経て、日本版のDVDが発売される事は喜ばしい。流石はアルバトロス・フィルム!
(実はロシア版のDVDを持っているんだが、かじった程度のロシア語じゃ厳しいんだよね・・・)
ちなみに下記は、2005年(平成17年)12月21日付の「朝日新聞」からの切り抜き。
切り抜きは、しておく物だね。
※インタビューの中で監督が「このテーマの映画は過去10年で2本しか撮られていなかった。」と述べているが、それはソ連・イタリア合作の傑作『レッドストーム~アフガン侵攻~(原題:Afghan Breakdown)』と、ティムール・ベクマンベトフ監督の『エスケープ・フロム・アフガン』の事だろうか?
『レッドストーム~アフガン侵攻~』については、サイトの記事も参照の事。
http://members3.jcom.home.ne.jp/redsoldiers/exhibition/soviet/rozenbaum/rozenbaum.htm
by redsoldiers
| 2011-04-15 17:29
| 映画
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