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Freebooter Miniatures「Apagado」(2)

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キット:
 Freebooter Miniatures 30mm「Apagado」
塗料:
 水性アクリルカラー各種


 大晦日の大掃除でうっかり交換し忘れたレンジフードのフィルター。早速、真新しい物と交換して、スッキリ。作業が年越してしまったFreebooter Miniaturesの「Apagado」も完成して、スッキリ(?)。


 このアパガードさん、ファンタジーミニチュアゲーム「Freebooter's Fate」用のフィギュアなので、考証など気にせずに、好きに塗装すれば良いのですが、ファンタジーと言い切るにはリアルな感じなので、ヒストリカルフィギュア的アプローチで挑んでみました・・・まぁ、ヒストリカルというには難があるのですが。

  一見して、いわゆるヴェネツィアのカーニバルで有名な装束をしております。現在のヴェネツィアのカーニバルは、最近になって観光用に復活させたイベントに過ぎないので、祭りで仮装している方々の装束もアレな感じですが、この格好は18世紀のヴェネツィア風俗を模した姿です。


 印象的な仮面は「バウタ(bauta)」。
 ヴェネツィア市民が男女問わず着用するポピュラーな仮面で、18世紀には「タバッロ(tabarro)という黒いケープと共に用いた様です。下端が烏口の様に成っている為、会話や飲食が阻害されず、使い勝手が良かった様ですね・・・口でくわえるので喋れない・・・なんて仮面もあるので。
 本来、祭りの仮装だった仮面が、日常的な装束となり、それが公権力と個人の権利とのせめぎ合いに用いられた・・・というのは有名な話ですが、このバウタも、そういった歴史を内在させる仮面故に、着用の際には武器の携帯は禁止されていた・・・という記述もあるのですが・・・思いっきり携帯してますね・・・アパガードさん。

 頭に被っているのは三角帽子(tricorne)。18世紀に流行した帽子です。
 これ以前の17世紀には、鍔の広い帽子(「三銃士」のアレ)が用いられ、18世紀も後半になると二角帽子(bicorne)が軍服を中心にして用いられます。

 黒いマントは特別な物では無いのですが、これも華美な衣装を隠す為に、後に身元を隠す為に用いられ始めた様です。

 内側の服、手袋、長靴は、18世紀の乗馬服風のデザインで・・・って感じでしょうか。


 ヴェネツィアのカーニバルは、1797年のナポレオンによる占領の後、幕を閉じる事と成ります。
 バウタに三角帽という仮装は、ヴェネツィア共和国への郷愁をかもし出す装束なわけですね。

Freebooter Miniatures「Apagado」(2)_a0193363_1540357.jpg

 今回は、塗装工程を記録せず、行きつ戻りつ様々な技法を試行錯誤してみました故に、仕上がりが汚くなってしまいました。

 やはり難しいですね・・・「黒」の表現は・・・。視線や光線が一定の絵画ならいざ知らず、視線も光線も不定の立体模型で、色を用いず明暗だけで表現する「黒」は至難の業です。
 さらに、その「黒」と「灰色」とを差別化するのも難しいです。いやはや。


製作記録
Freebooter Miniatures「Apagado」(1)
 
 
by redsoldiers | 2013-01-05 15:45 | ミニチュアフィギュア | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


by redsoldiers
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