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ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(10)

 Snakestoneさんの記事にくすぐられて、早速購入してしまったソルジャーズのキット。ようやく完成です。

 メーカーのカタログには特に表記は無いのですが、原型師のMario Venturi先生のサイト記事を観ると、元々は「アジャンクールの戦い」におけるフランス軍の旗手として作られたフィギュアである事が分かるので、その様に仕上げました。
 一応、従騎士という事にしましたが、騎士との違いをかろうじて示しているのは、胸のワッペンと銀色の拍車くらいでしょうか・・・。

ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(10)_a0193363_15543218.jpg

 「1415年アジャンクールの戦い フランスの重騎兵」

キット:
 ソルジャース 54mm「FRENCH MAN AT ARMS」
塗料:
 水性アクリルカラー各種


 私にとって、「アジャンクールの戦い」・・・と言えば、渋谷の“東急文化村(bunkamura)”です。
 ・・・というのも、bunkamuraにある映画館“ル・シネマ”で、初めて観た映画がケネス・ブラナー版『ヘンリー五世』・・・そして同時上映していたローレンス・オリビエ版『ヘンリー五世』だったからです。
 基本的には「ヘンリー五世万歳!イギリス万歳!」な映画(というか原作もだけど)な訳ですが、そのクライマックスが「アジャンクールの戦い」です。
 ローレンス・オリビエ版が、晴天の中、色とりどりに輝く騎士達が野原を駆けめぐる騎士道物語的な描写で在ったのに対し、ケネス・ブラナー版は、秋の雨の中、泥にまみれた男達が血みどろの戦いを繰り広げるというリアルな描写が売りでした。・・・それ故に、ヘンリー五世の知略と指導力、イギリス兵の武勇、フランス騎士の愚鈍さが、より誇張される事になるのですが。

 実際の戦闘が『ヘンリー五世』で描かれていた様な状況であったかはともかくとして、フランス軍はこの戦いで大敗北を喫します。多くの騎士、従騎士、サージェント達がイギリス兵の長弓の矢、剣、杭打ち用ハンマーの餌食になり、多くの捕虜達が、本来で在れば助命され、身代金と引き替えに自由になるハズが、(理由は諸説在る様ですが)そのほとんどが虐殺されてしまいます。

 ・・・恐らく、この従騎士も、数時間後には、アジャンクールの汚泥の中に埋もれている事でしょう。

ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(10)_a0193363_16491115.jpg

 このキットを出している(いた)ソルジャーズはイタリアのメーカーで、Venturi先生を初めとする魅力的な原型の作品を数多く輩出しています。ただ、鋳造技術は後進のペガソなどに比べると、アレ・・・な感じではありますが。
 噂によると、一時倒産していたらしく、そのせいか、現在ではこのキットを始め、魅力的な古いキットがことごとく絶版になってしまった様です。残念。


 製作記事
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(9) 地面の製作
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(8) 顔の塗装
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(7) 細部の塗装と味付け
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(6) 明色
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(5) 暗色
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(4) 基本色
ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(3) タイトル変更
ソルジャーズ「フランス騎士の従者」(2)
ソルジャーズ「フランス騎士の従者」
 
 
by redsoldiers | 2012-10-30 17:17 | ヒストリカルフィギュア | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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