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ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(7) 細部の塗装と味付け

 土台が手つかずですが、フィギュア自体の塗装は、これで仕上げです。

 ワッペンの紋章や、鎧の傷など、細部の書き込みをして行きます。
 細部の書き込みは、凝れば凝るほど精密感は出ますが、やり過ぎると情報量が増え過ぎて焦点がぼやけたり、クドくなりるので、加減が難しい所です。

 最後の仕上げに、色水になるくらいに薄めた塗料で、染め付ける様に色を載せていきます。俗に、フィルタリングとか、グレイジングとか呼ばれている技法です。
 これをする事で、飛び出した明色を押さえる効果があったり、色合いに表情や深みを出す事が出来ます。・・・まぁ、写真では分からないレベルですけどね。

ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(7) 細部の塗装と味付け_a0193363_18285920.jpg


 このフィギュア塗装の中で、最も繊細で気を使ったのが、胸に付けたワッペン。
 ワッペンの紋章は、キットのパッケージの作例ではなく、Venturi御大の原型作品(「アジャンクールの戦い」のビネット)の塗装を参考にしました。
 原型作品の方はフランス軍の旗手で、胸には・・・四分割され、1st・4thクォーターは青地に「ユリの花("fleur-de-lis"あるいは"fleur-de-lys")」のチャージが描かれ、、2nd・3rdクォーターは無地の赤・・・という、軍旗と同じ紋章のワッペンを身につけています。

 この「ユリの花(実際にはアイリスの花)」のチャージはフランス王家を表す物で、本来は青地に無数の金色のユリの花が散りばめた意匠でしたが、1376年に青地に三つのユリの花という意匠に変更されています。前者を「古いフランス」、後者を「新しいフランス」と呼びます。
 「アジャンクールの戦い」は1415年に行われたので、チャージは「新しいフランス」に成っています。
(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ『百年戦争のフランス軍』参照)

ソルジャーズ「フランスの重騎兵」(7) 細部の塗装と味付け_a0193363_18347100.jpg


 この「新しいフランス」を、胸のワッペンにチャージとして描き込むのが、今回の最大の難関。
 達成感よりも、己の技術の無さに打ちのめされる私・・・今の自分には、これが限界っす。

 しかも、何度も失敗しつつも、「よぉし・・・これで最後だ・・・。」と仕上げの筆を動かした、まさにその時、「疲れたぁ〜、肩もんで〜。」と部屋に入って来る嫁!?
 無視して精神を筆先に集中・・・していると、その後ろで「何だか忙しそうですよ。旦那様は、肩をもんでくれないんですかね?」とピグリン・ブランドさんのヌイグルミと会話しだし、終いには「DAKARA」のCMソングを歌いながら踊りだす嫁。
 ・・・気が散って乱れる筆先。

 結局、初めから塗り直しました・・・「新しいフランス」・・・。
 (T_T)
 
by redsoldiers | 2012-10-16 21:59 | フィギュア製作 | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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