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1973年型冬季将校用野外服 ・・・の生地に迷う

 フィギュア製作中の1973年型冬季将校用野外服。前回の記事の中で、“保護色の木綿生地「3303」を再現”と記したが、これは私の勘違いでした。
 一寸気になって、改めて再現中の1973年型の主な資料である下記の仕様規定を読み返してハッキリしました。

 ГОСТ1126-77 「ヨーク付木綿製防寒ジャケット(内 タイプAが将校用 タイプBが一般兵士用)」
 ГОСТ24232-80 「将校用冬季ズボン」


 これらの資料によると「3303」は、冬季野外服の“タイプB”即ち一般兵士用のジャケット表地に用いられている生地で、将校用の“タイプA”のジャケット表地には用いられない事になっています。
 「“タイプA”」及び、「将校用冬季ズボン」の表地に用いられる生地は下記の三種五品目です。
 染色は、それぞれ保護色と暗灰色の二種類が想定していた様です。


 ・防水加工の施されたполотно башмачное(生地番号:7033、6987)
 ・二重のキルザ(生地番号:6882、6767)
 ・防水加工の施されたレインコート用生地(生地番号:3277)

 補足)
 「полотно башмачное」は生地の種類としての名前のようですが、どういった物か具体的には分かりません。「シューズのキャンバス/リネン生地」とでも直訳出来るのですが。
 また、二重のキルザも、ブーツやテントに使う厚手の防水生地キルザを、どの様に二重にしているのか(張り合わせたのか、二重織りという意味か)分かりません。


 何故、こんな勘違いをしてしまったかというと、私が現物資料を持っていない事につきます。そして数少ない着用写真を見ると、「3303」の様に見えた物もあり、それを用いた製品もあるのかな・・・と勘違いしてしまっていました。これは見間違いだった様です。
 もっとも、参考にした国家規格の仕様書発行以前の製品については、どんな生地を用いていたのか分からないのですが、「3303」では無いと推測します。


 ・・・で、生地が違ったので、塗り直しジャン・・・とも思いましたが、そうでも無さそうです。
 「полотно башмачное」生地については分かりませんが、「二重キルザ」「レインコート用」の生地に関してはサンプルを持っていたので、改めて見直してみました。確かに「3303」に比べれば目の詰まった織り方をされている生地なので、堅くて表面が滑らかな質感ですが、染色(保護色)の色調自体に大きな違いは無さそうです。キズや脱色の仕方は違うので、その辺の表現は変わりますが。

 ・・・とりあえず、基本色や暗色は同じで良いかな・・・仕上げ塗装でなんとか違いを表現するかな・・・。
 

 2012年2月28日
 タイトルとカテゴリーを変更しました。

 前タイトル
  「Minimanfactory「Soviet Guardian with Dog」(12) 生地に迷う」
 前カテゴリー
  「フィギュア製作」
 
 
by redsoldiers | 2012-02-23 17:38 | 軍装 | Comments(0)

歴史軍装研究と模型製作の狭間に


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